航路啓開

被災3日後から、港湾内の障害物を取り除く航路啓開を開始。

3月13日夕刻の津波警報・注意報の解除を受け、翌14日早朝から海に流出、または沈んだコンテナやクルマ、漁網などの回収を行う航路啓発が開始された。
被災地への支援を第一に、宮古港、釜石港、そして東北最大の港湾である仙台塩釜港を優先して啓開。その後、3港以外の主要な港湾にも展開された。被災後5日目となる16日には、釜石港に緊急物資船が入港。23日までに被災10港で、暫定の航路が確保され、海上からの緊急物資の搬入が可能となった。
また、震災から10日目となる21日には、仙台塩釜港にオイルタンカーの第一船が入港し、深刻を極めていた燃料不足が緩和された。


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航路啓開に関する伝承看板

海上からの緊急支援物資輸送ルートを啓く(宮古港)

岩手県宮古市臨港通1-20
道の駅・みなとオアシス みやこ(シートピアなあど) MAP

 太平洋沿岸に押し寄せた巨大津波により、港湾においても甚大な被害があり、家屋や自動車などが海上に流出し、船舶の入出港が不可能となった。
 支援物資や燃料の輸送ルートを早急に確保するべく、海洋土木業界の協力で全国から集結した起重機船により、海上・海底の障害物の除去を行う「航路啓開」を行い、船舶の入出港を早期に確保した。
 宮古港では、発災から5日後には支援物資を積んだ第一船が入港し、被災地へ燃料や非常食、毛布などが届けられ、被災地の救援・復旧の大きな力となった。


支援物資輸送を確保した航路啓開(仙台塩釜港)

スリーエム仙台港パーク 展望台(宮城県仙台市宮城野区港2丁目5) MAP

 太平洋沿岸に押し寄せた津波により、自動車やコンテナ等が港に流入し、船舶の入出港が不可能となった。  支援物資・燃料の輸送ルートを早急に確保するべく、震災直後より航路啓開を実施した。結果、発災から6日後の3月17日に第一船が入港し、被災地へ非常食や支援物資が届けられた。


海上からの緊急支援物資輸送ルートを確保した航路啓開(釜石港)

釜石魚河岸にぎわい館「魚河岸テラス」(岩手県釜石市魚河岸3-3) MAP

 釜石港においても船舶の入出港が不可能となったことで、支援物資や燃料の輸送ルートの確保が急務であったことから、国道からの道路啓開とともに、海上からの緊急支援物資輸送を確保するため、海上にある障害物を除去し、船舶の入出港に必要となる水深を確保するための「航路啓開」を行った。
 被災3日後から航路啓開を開始し、2日後の3月16日に輸送船が入港した。同時に進められた道路啓開により、被災地や内陸部へ支援物資などが輸送され、被災地の救援・復旧の大きな力となった。


津波の教訓を活かした粘り強い防波堤(釜石港湾口防波堤)

釜石魚河岸にぎわい館「魚河岸テラス」(岩手県釜石市魚河岸3-3) MAP

 釜石港においては、大規模に被災した湾口防波堤であったが、津波高4割、流速5割、遡上高5割の低減効果があり、防潮堤を越える時間も6分遅延させるなど、一定の減災効果を発揮した。復旧にあたっては、同規模の津波が襲来した場合でも、防災・減災効果が長時間にわたって発揮できるように、粘り強く津波に耐える構造となるよう創意工夫が施されている。
 本防波堤が完成することで、津波による釜石の街への被害が大きく軽減されるほか、港内の静穏性が保たれ、安全な港湾利用が可能となり、地域の復旧・復興の支えとなっている。