平成23年3月11日14時46分マグニチュード9.0の地震が発生。
発災37分後、仙台空港から防災ヘリ「みちのく号」を緊急発進しました。
そのわずか数分後に、仙台空港は津波にのみ込まれ、まさに間一髪。
その後、防災ヘリ「みちのく号」から送られてくる被災や津波のライブ映像は、今後の対策の早期判断の材料になりました。
1.地震発生津波来襲
3月11日(金)14時46分 巨大地震発生。
マグニチュード9.0、最大震度7の激震だった。
宮城県の栗原市で震度7、宮城・福島・茨城・栃木県で震度6強という地震が、東北地方を中心に東日本を襲った。地震の規模はマグニチュード9.0で、国内の観測史上最大規模だった。
東日本大震災は、本震を含め4つの大規模地震が断続して発生した連動型。本震後40分の間にマグニチュード7.0以上の地震が三陸沖から茨城県沖にかけて発生した。
余震も多発し、1ヵ月間でマグニチュード5.0以上の余震が400回以上発生。震源域は、岩手県沖から茨城県沖までの南北約500km、東西約200kmの広範囲に及んだ。
地震概要
発生日時 | 平成23年3月11日(金) 14時46分 |
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震源 | 三陸沖(牡鹿半島の東南東130km付近) 深さ24km |
規模 | マグニチュード9.0 |
地震名 | 平成23年(2011年) 東北地方太平洋沖地震 |
主な震度 | 震度7 :宮城県北部 震度6強:宮城県南部・中部、福島県中通り・浜通り、茨城県北部・南部、栃木県北部・南部 震度6弱:岩手県沿岸南部・内陸北部・内陸南部、福島県会津、群馬県南部、埼玉県南部、千葉県北西部 |
東日本太平洋沿岸 巨大津波襲来。
観測史上最大の津波が沿岸地域を襲った。
東北地方を激震が襲った直後、北海道・東北・関東地方太平洋沿岸に巨大津波が押し寄せた。
沿岸各地に襲来した津波は、最大10m以上に達し、未曾有の被害をもたらした。その後の調査で、海岸の地形や湾の形状などによって津波の高さは異なり、被害の状況も違っている。
斜面を遡上した高さでは、岩手県宮古市で39m以上を記録。これは1896年の明治三陸地震の際、岩手県大船渡市で確認された38.2mを上回る、観測史上最大の規模となった。
津波概要
【大津波警報】
北海道太平洋沿岸東部、北海道太平洋沿岸中部、北海道太平洋沿岸西部、青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県九十九里・外房、伊豆諸島 [11日 15:33現在]
【津波の高さ】(津波観測点付近の痕跡等から推定した高さ)
八戸(青森県) | 6.2m | 大船渡(岩手県) | 11.8m |
久慈港(岩手県) | 8.6m | 石巻市鮎川(宮城県) | 7.7m |
宮古(岩手県) | 7.3m | 仙台港(宮城県) | 7.2m |
釜石(岩手県) | 9.3m | 相馬(福島県) | 8.9m |
出典:気象庁
【津波の遡上高さ】
宮古市(岩手県) | 39.211m |
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釜石市(岩手県) | 30.480m |
大船渡市(岩手県) | 31.839m |
陸前高田市(岩手県) | 22.184m |
気仙沼市(宮城県) | 22.671m |
南三陸町(宮城県) | 20.408m |
相馬市(福島県) | 21.303m |
出典:「東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ」による速報値(2011年12月15日)
http://www.coastal.jp/ttjt/
※信頼度A(信頼大なるもの。痕跡明瞭にして、測量誤差最も小なるもの)
全壊 12万8,931戸 半壊 26万9,040戸
死者・行方不明者が2万人規模の未曾有の被災だった。
激震とその後の巨大津波により、太平洋沿岸地域を中心に各地で甚大な被害が発生。
死者、行方不明者は合わせて2万人近く、避難者は33万人以上に達した。
また、家屋の全壊をはじめ、道路の流失や崩落、橋の落下、堤防の全壊など、広範囲に及ぶ被害が発生した。
被災は、災害対策の司令塔となるはずの自治体庁舎にも及んだほか、太平洋沿岸の国道45号、4号、6号の各所を寸断、沿岸部の各地を孤立させた。
被災状況
死者・行方不明者 | 死者15,880名 行方不明者2,694名 (平成25年2月 緊急災害対策本部資料) |
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建築物被害(住家) | 全壊 12万8,931戸 半壊 26万9,040戸 一部損壊 73万6,277戸 (平成25年2月 緊急災害対策本部資料) |
避難者数 | 31万5,196名 (平成25年2月 緊急災害対策本部資料) |
河川の被害 | 2,115箇所 (平成23年5月 国土交通省資料) |
堤防護岸の被害 | 岩手、宮城、福島3県(堤防護岸300km)において、全壊・半壊が約190km (平成23年5月 国土交通省資料) |
港湾の被害 | 国際拠点港湾及び重要港湾11港 地方港湾18港 (平成23年5月 国土交通省資料) |
下水道関係の被災 | 下水道処理場の稼働停止18カ所(岩手県、宮城県、福島県及び茨城県の沿岸部にある下水処理場) 管渠137市町村などの下水管66,086kmのうち、957kmで被災 (平成23年5月 国土交通省資料) |
道路の被害総数 | 高速道路15路線 直轄国道69区間 都道府県などの管理国道102区間 都道府県道など539区間 (平成23年5月 国土交通省資料) |
津波による浸水面積 | 岩手県58㎢ 宮城県327㎢ 福島県112㎢ (平成23年5月 国土交通省資料) |
37分後、緊急発進。
防災ヘリからのライブ映像が、早期対応の判断材料に。
巨大津波は仙台空港をも呑み込んだ。だが、その直前、国土交通省 東北地方整備局の防災ヘリ、「みちのく号」は飛び立っていた。地震発生の直後、民間航空会社の乗員は格納庫の壊れたシャッターを切断し、テイクオフに備えた。そして国土交通省東北地方整備局からの指令を受け、地震発生から37分後に飛び立った。
ヘリから送られてくるライブ映像は、想像を絶する巨大津波をとらえ、衝撃的な被災状況を伝えた。この情報が、真っ先にすべきは救命、救援ルートの確保、という判断をもたらした。