HOME震災概要 > 4.応急復旧

4.応急復旧

二日目から現地で被災状況調査を開始しました。
そして、災害時の特定である「緊急随意契約」により速やかに工事契約し、地元建設業等の協力により復旧を実施しました。
岩手県陸前高田市の国道45号気仙大橋は、仮橋を120日の予定工期に対して、61日で完成させました。
また、大きな被害を受けた宮城県大崎市の江合川堤防など、内陸部の河川堤防も出水期に入る前に緊急復旧を完了させました。

出動、TEC-FORCE

200名以上が被災地に入り、被害状況を調査。

画像
国土交通省 東北地方整備局資料

亀裂の走った道路、崩落した法面、落下した橋、崩れた港など、被災した各所に国土交通省の全国の地方整備局から集結した災害対応のスペシャリストが急行。
TEC-FORCE(テックフォース)と呼ばれるこの緊急災害対策派遣隊は、2日後には200名以上が被災現場に入り、被害の状況を調査。この迅速な調査が早期応急復旧を可能とした。
また、このTEC-FORCEは市町村への支援班としても派遣され、被災情報の収集から排水ポンプ車による排水作業、自衛隊などとの調整、支援物資や機材の取り次ぎ、調達など広範囲にわたる活動を行った。

画像
国土交通省 東北地方整備局資料

落下した橋、仮橋により通行可能。

一日も早い交通確保へ、仮橋による応急復旧を展開。

画像

太平洋沿岸を走る国道45号は、巨大津波によって各所で寸断され、橋桁が流出するなど大きなダメージを受けた。道路啓開が完了した所から応急復旧を進め、橋梁流出箇所も迂回措置や仮橋による対応が展開された。仮橋の延長210.6mとなった気仙大橋(岩手県陸前高田市)も、河川の浚渫作業後に仮橋本体の工事にかかり、わずか61日で完成。7月10日に2車線での交通確保が可能となった。
応急復旧が早かった理由には、震災直後から建設業者が作業に入ったこと、復旧対策に現地での作業方法の検討を活かし、応急組立橋の設置など技術的に工夫できたことなどがある。

画像

河川1,195ヵ所、4ヵ月で緊急復旧。

原型をとどめない河川堤防など、緊急復旧工事を実施。

画像

巨大地震・津波は河川にも甚大な被害をもたらした。国土交通省 東北地方整備局管内の河川では、5水系9河川で堤防や樋門・樋管などの施設1,195ヵ所が被災した。
そのため被災直後から応急復旧に取り組み、二次災害を防止すると共に、特に被災の大きい29ヵ所は堤防盛土やブロック張りを施す「緊急復旧工事」を実施。4月2日の江合川の工事完了をはじめとして、7月11日までに全ての緊急復旧工事が完了した。

画像

応急復旧により海上物流回復。

被災港湾の取扱貨物量が、9月には対前年比70%まで回復。

画像

電力確保に必要な燃料、畜産に欠かせない飼料、鉄鋼をはじめとする製造業の原材料や製品など、東北への海上輸送は極めて多い。日用雑貨などもコンテナ船で運ばれており、海上輸送は地域の生活や経済と密接に関わっている。そのため、一日でも早い港湾機能の回復に向け、早期に応急復旧工事を実施。震災から半年後の9月には、中断されていた海上物流が復活し、取扱貨物量は対前年比70%まで回復した。

画像

海岸堤防19,970m、緊急復旧。

余震・津波の危険がある中、4海岸7工区で堤防の緊急復旧工事を実施。

画像

仙台湾南部海岸は、津波によって海岸堤防が各所で決壊、流失。海と陸が交わる汀線が陸側に食い込むなど、大きく被災した。海岸の背後には仙台市などの市街地をかかえるとともに、JR常磐線、国道6号、仙台空港などがあり、早急な復旧が必要に。そこで、仙台海岸、名取海岸、岩沼海岸、山元海岸において、4月から緊急復旧工事を実施。ライフジャケットを装着し、ラジオで津波情報を確認しながらの工事だった。これにより、高潮時の海水侵入や内陸域への浸食を防ぎ、また波浪や高波に備える防止対策が8月末に完了した。

画像
▲ ページの先頭へ