支援物資調達
国土交通省の所管にとらわれず、考えられることは全部やって欲しい」という大臣の強いリーダーシップにより、被災自治体のニーズのもと本格的な通信手段が回復するまでの当分の間、市町村の救援物資調達に着手。
- 仮設ハウス、仮設トイレ、燃料(軽油、灯油、ガソリン等)、バックホウ等の機械、日用品(おむつ、布団等)、食料品(粉ミルク、缶詰等)などを送付。
- (社)日本土木工業協会や(社)日本道路建設業協会などの応援を得て調達。H23.3.31までの要望に対する調達状況は以下の通り。
- 要望のあったのべ品目数:218品目
- 要望に対する調達度(品目ベース):91%
- 要望から調達までの平均日数:3日
所管にとらわれない、垣根を越えた物資調達が行われた。
被災された市町村長あてに東北地方整備局長からの一通の手紙が、派遣されていたリエゾン(災害対策現地情報連絡員)から手渡された。そこには、自分を「ヤミ屋のオヤジ」だと思って何でも言いつけてほしい、と書かれていた。すでに「国土交通省の所管事項以外のことでも援助します」と伝えてはいたものの、遠慮される市町村長が多かったため、本気度を伝えようと踏み込んだ、役所の文章には珍しい表現をとった。
それから、多くの市町村長から連絡をいただけるようになり、異例の物資調達が始まった。
仮設ハウス、仮設トイレ、燃料などのほか、生理用品から棺まで、あらゆる物資を用意した。
手渡した手紙
平成23年3月22日(火)
被災された市町村の首長さまへ
東北地方整備局長 徳山日出男
災害復旧、お疲れ様でございます。昨日もお手紙を差し上げましたが、本当に国土交通省の所轄事項以外のことで結構ですので、なんなりとお申し付けください。
昨日は、こんなこともありました。某市長との会話です・・・。
私「棺桶でも大丈夫ですよ」 市長「本当にそんなことができるんですか!?」
実際、各方面に直接電話して、直接買い付けたり、持っている方にお願いしたりしました。
まだ、「国土交通省の整備局なんだからこんなことは無理だろう」という先入観をお持ちだと思います。大畠国土交通大臣からも「国土交通省の枠を超えて政府代表の局として対応せよ」と言われておりますので、本当に何でも遠慮なく言ってください。
私のことを「整備局長」と思わず、「ヤミ屋のオヤジ」と思って下さい。いつでもお手伝いさせていただきます。
主な市町村支援物資
市町村支援物資一覧表 3月31日現在
品目 | 総数量 | 要望 件数 |
調達済 件数 |
---|---|---|---|
仮設ハウス | 300棟 | 12 | 8 |
カーペット | 1,951m2 | 2 | 0 |
断熱材 | 6,990m2 | 2 | 0 |
仮設トイレ | 1,039基 | 11 | 11 |
テント | 576張 | 7 | 4 |
埋葬箱 | 100本 | 1 | 1 |
収納袋 | 883袋 | 2 | 2 |
ガソリン | 11,000L | 4 | 4 |
軽油 | 36,740L | 17 | 17 |
灯油 | 56,400L | 8 | 8 |
発動発電機 | 95基 | 9 | 9 |
通信設備 | 1台 | 1 | 1 |
衛星電話設置 | 1式 | 1 | 1 |
バックホウ | 6台 | 2 | 2 |
水・茶 | 31,900本 | 8 | 8 |
日用品・食料品等 | 1式 | 22 | 22 |
生理用ナプキン | 300個 | 1 | 1 |
おむつ (子供用、大人用) |
500個 | 1 | 1 |
ふとん | 300組 | 1 | 1 |
洗濯機 | 30台 | 2 | 2 |
洗剤 | 20箱 | 2 | 2 |
物干し台・物干し竿 | 50セット | 1 | 1 |
パソコン | 27台 | 1 | 0 |
アンカー、ワイヤ | 109棟分 | 2 | 2 |
シャックル | 20個 | 1 | 1 |
台付ワイヤー | 20本 | 1 | 1 |
バルーンライト | 14台 | 4 | 4 |
テラスター | 7台 | 2 | 2 |
投光器 | 10灯 | 1 | 1 |
ケーブルドラム | 22台 | 3 | 3 |
照明車 | 2台 | 1 | 1 |
チェーンソー | 30台 | 1 | 1 |
ヤスリ等 | 1式 | 1 | 1 |
油脂類 | 1式 | 1 | 1 |
燃料オイル | 1式 | 1 | 1 |
ビニールテープ | 10個 | 1 | 1 |
給水車 | 2台 | 2 | 2 |
給水タンク | 4台 | 1 | 1 |
散水車 | 18台 | 4 | 4 |
品目 | 総数量 | 要望 件数 |
調達済 件数 |
---|---|---|---|
木杭 | 8,000本 | 2 | 2 |
給油ポンプ | 5本 | 1 | 1 |
ガスボンベ | 147本 | 1 | 1 |
木炭 | 150箱 | 1 | 1 |
薪 | 2t | 1 | 1 |
水中ポンプ | 7台 | 3 | 3 |
サニーホース | 10本 | 5 | 5 |
ユニック車 | 1台 | 1 | 1 |
ポンプ付替 | 1式 | 1 | 0 |
ブルーシート | 15,627枚 | 4 | 4 |
トラロープ | 23巻 | 3 | 3 |
土のう袋 | 101,551袋 | 7 | 7 |
消石灰 | 100袋 | 1 | 1 |
アンカー | 1,000個 | 1 | 1 |
油吸着マット | 50箱 | 1 | 1 |
カラーコーン | 360個 | 3 | 3 |
コンパネ | 200枚 | 2 | 2 |
赤スプレー | 24本 | 1 | 1 |
防水シート | 2,000m2 | 1 | 1 |
竹ぼうき | 75本 | 1 | 1 |
一輪車 | 170台 | 3 | 2 |
雨ガッパ | 667着 | 3 | 3 |
軍手 | 30組 | 1 | 1 |
スコップ | 740本 | 6 | 4 |
レーキ | 20本 | 1 | 0 |
作業服 | 100着 | 1 | 1 |
長靴 | 110足 | 2 | 2 |
ゴム手 | 10組 | 1 | 1 |
懐中電灯 | 50個 | 1 | 0 |
ヘルメット | 140個 | 2 | 1 |
拡声器 | 32器 | 2 | 2 |
自転車 | 12台 | 2 | 2 |
スピーカーシステム | 7セット | 2 | 1 |
路面清掃車 | 1台 | 1 | 1 |
B.H用アタッチメント | 1台 | 1 | 1 |
ガレキ処理(人手) | 1式 | 1 | 1 |
椅子 | 16個 | 1 | 1 |
机 | 18個 | 1 | 1 |
合計 | 218 | 198 |
通信手段を失った市町村にホームページを開放。
被災した市町村では、通信手段が破壊され有効な情報手段がない状況に。被災地では物資不足に陥り、不自由な生活を強いられているに違いない。そこで、国土交通省 東北地方整備局では、本格的な通信手段が回復するまでの間、ホームページ上に「被災した市町村のための臨時掲示板」を開設した。物資補給に関するニーズなどを発信する掲示板として20市町村が利用、切実な要望が掲載され、全国からの支援物資提供につながった。
<臨時掲示板の世間での反響>
草加市の町内連合会は、「臨時掲示板」で大槌町がランドセルなどの学用品を求めていることが分かり、義援金108万5000円でランドセルを購入し、大槌町の子どもたちに贈ることを決めた。